雑草や毒虫は、一見厄介モノのように見えますが、
実は庭のサイクルに欠かせなかったり、自然の生態系を営む役割を持っていたりします。

ここでは、植物や生き物について紹介し、
お庭での関わり方や新しい見方を知っていただけると嬉しいです。

ヤブツバキ

ヤブツバキ【藪椿】 ツバキ科 ツバキ属

本州・四国・九州に分布します。
樹高5 ~ 15m に育つ常緑樹。
冬から春にかけて開花する。

ヤブツバキの庭物語
ヤブツバキは北海道を除く全国に分布していて、三河地域でも自生しています。 三河は雪が少なく温暖ですが台風の潮風による塩害と真冬の寒風は免れません。 ヤブツバキやクロマツ、イヌマキ、ウバメガシはとくに塩害に強い種で、このあたりでは古くから庭に植えられてきた代表的な種です。 中でもヤブツバキは花が咲き、メジロといった野鳥をよぶためよく植えられます。
ツバキは花を愛でたり実から椿油を摂ったり、古くから人と密接な関係を築いてきました。 非常に苦い葉を噛み砕いて傷口にのせると止血効果があります。実生で生えてくるツバキはこのヤブツバキで、 サザンカと似ていますが花・葉の形態が少し違うので区別できます。

冬から春にかけて赤い花が咲き、葉の濃い緑との「補色調和」を生み出し美しさを見せてくれます。

植栽のポイントと手入れ

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アシナガバチ

アシナガバチ【脚長蜂】 ハチ目 スズメバチ科

世界には1000種類以上のアシナガバチが知られていて、日本に生息するのは10種類ほど。
生態はスズメバチに似ているが、最大の天敵はスズメバチ。
蓮の実のような形をした巣をつくる。ミツバチのように蜜を蓄えることはない。

アシナガバチの活躍
庭の昆虫の中でも存在感のあるハチ。中でもアシナガバチは身近で見かけることのあるハチですが、毒針でチクっと刺すこともあり嫌われ者です。
しかし、そんな彼らは、庭という環境で大きな役割を担っています。それは、新緑を食害する毛虫たちの捕食者として活躍しているのです。

アシナガバチは仲間を増やすために、小さな巣にせっせと卵を産んでは、そのコロニーを少しずつ大きくしていきます。そして、自分たちの幼虫の餌として、蛾・蝶の幼虫である毛虫や芋虫を捕まえ、余計な水分と肉の部分を口で分けながら器用に丸めていきます。丸めた肉団子を口に咥えて、巣に運び幼虫に与えます。

殺虫剤をスプレーする前に

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黒蟻

地球上には15,000種類以上、日本には273種類もの蟻が生息しているといわれます。

その中でも、よくお庭や外などで見かける「黒蟻」。
駆除されがちですが、
実は「黒蟻」は、「白蟻」の天敵であることをご存知ですか?

ハチの仲間である黒蟻は、雑食性の生き物。
蜜や砂糖の他、自分より大きな虫さえも軽々と持ち上げ、食べてしまいます。
くち木・木材を食べる白蟻も餌とするため、
家が白蟻の被害に遭うのを守ってくれるのです。

また、黒蟻は自然においても立役者。
植物の蜜も食べる際に、花から花へと花粉を運び、受粉の手助けをする大切な役割もしています。

私たちが見えないところで、お庭や自然のサイクルを整えてくれる「黒蟻」。
見かけた時は殺虫剤を撒くのではなく、
ぜひそっとしてあげてみてください。

蟻に噛まれた時は

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